軽貨物のアルコールチェック|一人でもやる点呼のやり方と記録

「一人でやっているのに、誰が誰にアルコールチェックをするのか」——軽貨物でいちばん多い疑問です。
答えは「自分で自分に対して行う」。国土交通省の資料には、点呼について次のように書かれています。
一人で事業を行っている場合は、自ら確認を行ってください。加えて、ご家族と同居している場合には、自身の体調を客観的に見てもらうことも有効です
国土交通省 物流・自動車局 安全政策課「貨物軽自動車運送事業における安全規制について」
この記事では、業務前後の点呼で何を・どう確認し・どこまで記録するかを、資料の記載に沿って整理します。
点呼は「業務前」と「業務後」の2回
| 業務前点呼 | 業務後点呼 | |
|---|---|---|
| タイミング | 運行の業務に従事しようとするとき | 運行の業務を終了したとき |
| 実施する者 | 貨物軽自動車安全管理者(令和9年3月末までは、事業者内の者が実施することが可能) | |
| 場所・方法 | 営業所または車庫で対面(宿泊を伴う運行等により、遠隔地で業務を開始・終了する場合等は電話等) | |
確認するのは4つ
1. 酒気帯びの有無(業務前・業務後)
アルコール検知器を用いて確認し、あわせて目視でも状態を確認します。資料では検知器をこう定義しています。
呼気中のアルコールを検知し、その有無又はその濃度を警告音、数値等により示す機能を有する検知器
つまり、吹いて結果が分かるものであれば形式は問われていません。据置型でも、手のひらサイズの携帯型でも構いません。ただし営業所に備えるだけでなく、遠隔地で業務を開始・終了する場合は携帯型を持っていく必要があります。
また、貨物軽自動車安全管理者の業務には「アルコール検知器等の常時有効な保持」が含まれています。電池切れ・故障・センサーの寿命切れのまま置いてある状態は、備えているとは言えません。
2. 疾病・疲労・睡眠不足等の有無(業務前)
体温や血圧、顔色、呼気の臭い、声の調子などで確認します。一人なら、数値で残せるもの(体温・血圧・睡眠時間)を習慣にすると客観性が出ます。
3. 車両の日常点検(業務前)
走行距離や運行時の状態から判断した適切な時期に、エンジンルーム内・ライト・タイヤ・運転席周りを目視等で確認します。
4. 車両・道路・運行の状況(業務後)
「気になる点がなかったか」を確認します。異音、擦った跡、危なかった場所。ここを飛ばすと、次の事故の芽が残ります。
記録する項目と保存期間
点呼の記録は書面または電磁的方法により1年間保存します。記録する項目は次のとおりです。
| 業務前点呼 | 業務後点呼 |
|---|---|
| 点呼執行者名 | 点呼執行者名 |
| 運転者の氏名 | 運転者の氏名 |
| 車両番号(ナンバープレート等) | 車両番号(ナンバープレート等) |
| 点呼日時 | 点呼日時 |
| 点呼方法(検知器の使用有無、対面以外の方法) | 点呼方法(検知器の使用有無、対面以外の方法) |
| 酒気帯びの有無 | 自動車、道路及び運行の状況 |
| 疾病、疲労、睡眠不足等の状況 | 交替運転者に対する通告 |
| 日常点検の状況 | 酒気帯びの有無 |
| 指示事項 | その他必要な事項 |
| その他必要な事項 | — |
見落としやすいのが「点呼方法(検知器の使用有無)」。検知器を使ったかどうかまで記録する必要があります。保存期間や他の記録との関係は、軽貨物の点呼記録簿・日報はいつまで保存する?にまとめています。
検知器が反応したら、その日は走らない
数値の高い低いにかかわらず、酒気を帯びた状態で運行の業務についてはいけません。前夜の量が多かった日は、朝の時点でまだ残っていることがあります。
- 飲んだ量と就寝時刻を記録しておくと、自分の抜け方の傾向が分かる
- 「少しなら」で走ると、事故時に事業そのものが止まる
- 代走を頼める相手を作っておくと、休む判断がしやすい
よくある質問
Q. 家族に立ち会ってもらう必要がありますか?
義務ではありません。資料では、同居の家族に体調を客観的に見てもらうことが「有効」と紹介されているだけです。確認そのものは自ら行います。
Q. スマホのアプリだけで足りますか?
アプリは記録には使えますが、呼気を測るのは検知器です。記録は書面でも電磁的方法でもよいので、検知器で測り、結果をアプリや台帳に残す形になります。
Q. 直行直帰の日はどうしますか?
営業所または車庫での対面が原則ですが、宿泊を伴う運行等で遠隔地で業務を開始・終了する場合等は電話等での実施が認められています。その場合も点呼方法を記録します。
Q. 令和9年4月以降は誰が点呼をしますか?
貨物軽自動車安全管理者です。令和9年3月末までの経過的な取扱いとして事業者内の者による実施が認められているため、それまでに選任・講習を済ませておく必要があります。詳しくは貨物軽自動車安全管理者とは?をご覧ください。
まとめ
- 点呼は業務前・業務後の2回。一人でも自ら行う。
- 酒気帯びは検知器+目視。検知器は常時有効に保持する。
- 記録は1年保存。検知器の使用有無まで残す。
- 反応が出たら、数値にかかわらず走らない。
ロジバディの運行管理では、点呼の項目がそのまま入力画面になっていて、記録は自動で残ります。紙の記録簿を書き写す手間なく、あとから日付で呼び出せます。
※本記事は一般的な解説です。個別の取扱いは管轄の運輸支局にご確認ください。



