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貨物軽自動車安全管理者とは?講習・届出・期限をわかりやすく解説

公開日

軽貨物(黒ナンバー)で運送業をしている方に、2025年(令和7年)4月1日から新しい義務が加わりました。その中心が「貨物軽自動車安全管理者」の選任です。

「一人でやっているから関係ない」と思われがちですが、一人親方でも対象です。しかも、既に開業している方には期限があります。

この記事では、国土交通省が公表している資料をもとに、何をいつまでにやればいいのかを整理します。

※本記事は一般的な解説です。ご自身がいつまでに何をすべきかは経営届出の時期によって変わります。最終的な判断は管轄の運輸支局にご確認ください。


何が変わったのか

軽貨物運送は長らく「届出制」で、一般貨物(青ナンバー)に比べて規制がゆるやかでした。しかし事故の増加を受けて、安全対策を強化する制度改正が行われました。

時期 内容
令和6年10月1日 公布
令和6年11月1日 講習機関の登録に関する規定を施行
令和7年4月1日 事業者向けの規制を施行

出典:国土交通省「貨物軽自動車運送事業における安全対策を強化するための制度改正を行いました」(2026年7月21日確認)


貨物軽自動車安全管理者とは

営業所ごとに選任しなければならない、安全管理の責任者です。

重要なのは、国土交通省のリーフレットに次のように明記されている点です。

一人で事業を行っている場合も、自ら実施する必要がある

つまり「従業員がいないから対象外」ではありません。自分自身を安全管理者として選任し、講習を受ける必要があります。

やることは3つ

  1. 講習を受ける(貨物軽自動車安全管理者講習)
  2. 安全管理者を選任する
  3. 届出をする(運輸支局等を通じて国土交通大臣へ)

届出には、事業者の氏名または名称、安全管理者の氏名・生年月日、選任年月日と講習修了年月日などを記載します。

講習は「1回受けて終わり」ではない

講習 受けるタイミング
貨物軽自動車安全管理者講習 選任にあたって受講
貨物軽自動車安全管理者定期講習 選任後2年ごと

いずれも、国土交通大臣の登録を受けた講習機関で受ける必要があります。

バイク便は対象外

三輪の軽自動車等または二輪の自動車を用いる事業(いわゆるバイク便)は、この安全管理者の対象から除かれています。


いつまでにやればいいのか(経過措置)

ここが最も重要です。開業した時期によって期限が違います。

あなたの状況 期限
令和7年3月末までに経営届出を行った(=すでに営業していた) 令和9年3月までに講習受講・選任
令和7年4月以降に経営届出を行った(=新規開業) 速やかに実施

令和9年3月は、2027年3月です。この記事を書いている2026年7月時点で、残り約8か月しかありません。

講習には定員があり、期限が近づくほど予約が取りにくくなることが予想されます。早めに動くことをおすすめします。


同時に始まった、もう1つの義務

安全管理者だけではありません。同じ改正で次の義務も加わりました。

初任運転者等への特別な指導と適性診断

次の運転者には、特別な指導と、国土交通大臣が認定する適性診断の受診が必要です。

  • 初任運転者(過去に一度も特別な指導・適性診断を受けていない人)
  • 65歳以上の人
  • 死者または負傷者が生じた事故を引き起こした人

さらに、運転者の氏名・指導や適性診断の受診状況などを記載した「貨物軽自動車運転者等台帳」を作成し、営業所に備え置く必要があります。

こちらにも経過措置があります。

状況 期限
令和7年3月末までに届出した事業者 令和10年3月までに実施
令和7年4月以降に届出した事業者 猶予期間なし

業務の記録(日報)の作成・保存

業務の記録を作成し、1年間保存する義務が新設されました。記録する主な項目は次のとおりです。

  • 運転者等の氏名
  • 車両番号
  • 業務の開始・終了および休憩の日時
  • 業務の開始・終了および休憩の地点
  • 業務に従事した距離
  • 主な経過地点

事故の記録

事故が起きたときは記録を作成し、3年間保存します。記録するのは、乗務員等の氏名/発生日時/発生場所/事故の概要/事故の原因/再発防止対策です。

国土交通大臣への事故報告

  • 死傷者が生じた事故など重大な事故 → 30日以内に運輸支局等を通じて報告
  • 2人以上の死者が生じた事故など → 24時間以内にできるだけ速やかに速報

従来からある義務も忘れずに

制度改正で新設されたものだけでなく、以前から必要だった義務もあります。国土交通省のリーフレットでは「引き続き実施が必要な主な安全対策」として整理されています。

点呼と、その記録

点呼の内容は点呼記録簿に記録し、1年間保存しなければなりません。

確認すること タイミング
運転者の酒気帯びの有無 業務前・業務後
疾病、疲労、睡眠不足その他により安全な運転ができないおそれの有無 業務前
業務に係る事業用自動車、道路および運行の状況 業務後
車両の日常点検の実施またはその確認 業務前

こちらも一人で事業を行っている場合は、自ら確認を行う必要があります。

運転者に対する指導および監督

毎年実施が必要です。実施日時と場所/実施内容/実施した人と受けた人を記録し、3年間保存します。


記録の保存期間まとめ

記録 保存期間
点呼記録簿 1年
業務の記録(日報) 1年
事故の記録 3年
指導および監督の記録 3年

なお国土交通省のリーフレットには、記録・保存はパソコンやスマートフォンでも実施可能と明記されています。紙でなければならない、ということはありません。


現実的に、何が大変か

義務の内容を並べると、実務として大変なのは「毎日続けること」です。

  • 出発前と終業後に点呼をして、記録に残す
  • 日報を書いて、1年分きちんと保管する
  • 事故があれば記録を作り、3年保管する
  • 毎年の指導・監督を記録して3年保管する

一人で走りながら、これを紙のノートで続けるのは相当な負担です。しかも「保存」が求められるので、なくさないことまで含めて管理が必要になります。

だからこそ、記録がスマホで完結し、自動で残る仕組みにしておくと、義務への対応と日々の業務が両立しやすくなります。


よくある質問

Q. 一人親方でも本当に必要ですか?

はい。国土交通省のリーフレットに「一人で事業を行っている場合も、自ら実施する必要がある」と明記されています。

Q. 講習はどこで受けられますか?

国土交通大臣の登録を受けた講習機関で受講します。登録されている機関や受講料・所要時間については、管轄の運輸支局または国土交通省の案内でご確認ください。(本記事では公式に確認できた範囲のみ記載しています)

Q. 記録は手書きでないとダメですか?

いいえ。パソコンやスマートフォンでの実施・保存が可能とされています。

Q. アルコール検知器は必ず使わないといけませんか?

酒気帯びの有無を確認することは必要ですが、国土交通省のリーフレットでは検知器の使用は「確認方法の例」として記載されています。義務かどうかの断定は避け、管轄の運輸支局にご確認ください。

Q. 期限を過ぎるとどうなりますか?

行政処分等の具体的な内容は本記事では扱いません。管轄の運輸支局にご確認ください。いずれにせよ、期限内の対応が必要です。


まとめ

  • 令和7年4月1日から、軽貨物にも安全対策の義務が強化された
  • 貨物軽自動車安全管理者を営業所ごとに選任し、講習を受けて届出する(一人親方も対象
  • 講習は選任後2年ごとに定期講習あり
  • すでに営業していた事業者は令和9年(2027年)3月まで。残り時間は多くない
  • 点呼記録1年・業務記録1年・事故記録3年・指導監督記録3年の保存義務
  • 記録はスマホ・PCでの実施・保存が可能

制度への対応は「知らなかった」では済みません。まずはご自身の経営届出がいつだったかを確認し、期限を把握するところから始めてください。

※本記事は2026年7月21日時点で国土交通省が公表している資料に基づいて作成しています。制度は変更される可能性があります。個別の判断は管轄の運輸支局にご確認ください。

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