軽貨物の日額◯円は手取りいくら?固定費から逆算する

「日額18,000円」「月収50万円可能」——軽貨物の募集でよく見る数字です。ですが、この金額がそのまま口座に残るわけではありません。
大事なのは相場を覚えることではなく、提示された数字から手取りを逆算できるようになることです。この記事では、その計算の順番を示します。
売上と手取りのあいだにあるもの
| 段階 | 引かれるもの |
|---|---|
| ①案件の売上 | 日額 × 稼働日数(または個建て単価 × 個数) |
| ②手数料 | 管理手数料・紹介料・システム利用料 |
| ③車の固定費 | リース料またはローン、任意保険、自動車税、車検の積立 |
| ④走る経費 | 燃料、高速、駐車場、消耗品、通信費 |
| ⑤税金・社会保険 | 所得税、住民税、国民健康保険、国民年金 |
| ⑥手取り | 残ったもの |
募集広告に書かれているのは、たいてい①です。②〜⑤を引いた後の姿を自分で描けないと、比べようがありません。
1日単位で「残る額」を出す
まず1日あたりで考えます。仮に日額16,000円(税込)、手数料10%、燃料1,500円、高速なし、駐車場は月極(後で月単位に回す)とすると——
| 日額 | 16,000円 |
| − 手数料10% | −1,600円 |
| − 燃料 | −1,500円 |
| 1日に残る額 | 12,900円 |
月単位の固定費を引く
ここに、走っても走らなくてもかかるお金を月でまとめて引きます。この固定費が、休んだ日にも減らないのがポイントです。
| 1日12,900円 × 22日 | 283,800円 |
| − 車のリース(例) | −40,000円 |
| − 任意保険・貨物保険(月割) | −12,000円 |
| − 駐車場 | −15,000円 |
| − 通信・その他 | −5,000円 |
| 月の利益(税引前) | 211,800円 |
ここからさらに、所得税・住民税・国民健康保険・国民年金が出ていきます。「日額16,000円」と聞いたときの印象と、だいぶ違うはずです。
固定費が重いほど、休めなくなる
上の例では、固定費が月72,000円。1日に残る額が12,900円なので、月6日弱は固定費のために走っている計算になります。
- リース料が高い車を選ぶと、損益分岐の稼働日数が上がる
- 体調を崩した月に、赤字が出やすくなる
- 単価交渉より、固定費の見直しのほうが効くことがある
「単価を上げる」と「固定費を下げる」は、同じだけ手取りに効きます。上げにくい時期は、下げるほうを見直すのが現実的です。
比べるときは、この3つをそろえる
- 税込か税抜か。同じ「16,000円」でも意味が変わります。
- 燃料が自己負担か。ガソリンカード貸与なら実質の手取りは上がります。
- 車が自前かリースか。リース料込みの単価かどうかで、比較が成立しなくなります。
この3つがそろっていない比較は、ほとんど意味がありません。案件の条件を聞くときは、必ずセットで確認してください。
時間あたりでも見る
手取りが同じでも、拘束13時間の案件と10時間の案件では中身が違います。1日に残る額 ÷ 拘束時間を出すと、体への負担まで含めた比較ができます。
拘束時間には守るべき基準もあります。軽貨物の拘束時間・連続運転時間もあわせてご確認ください。
まとめ
- 募集の金額は売上。手取りとは別物。
- 1日に残る額 × 稼働日 − 月の固定費で利益を出し、そこから税金を見る。
- 固定費が重いほど休めない構造になる。単価交渉と同じくらい効く。
- 比較は税込/税抜・燃料負担・車の有無をそろえてから。
ロジバディでは、日報から売上と経費が積み上がり、月次の支払通知書で差引後の金額が確定します。「今月いくら残ったのか」を、感覚ではなく数字で確認できます。
※記事中の金額はすべて計算例です。実際の単価・経費・税額は、案件・地域・個人の状況により異なります。税額の詳細は税理士等にご確認ください。



