軽貨物の運賃料金表の作り方|届出に必要な書類と書き方
黒ナンバーを取るときに、経営届出書と一緒に出すのが運賃料金設定届出書と運賃料金表です。手続きの中でいちばん手が止まりやすい書類でもあります。
「いくらに設定すればいいのか分からない」という声が多いのですが、ここで決めた金額に一生縛られるわけではありません。この記事では、何を書くのか、どう考えて決めるのかを整理します。
※本記事は一般的な整理です。個別の判断は、管轄の運輸支局・行政書士・税理士・弁護士など、それぞれの専門家にご確認ください。
何のための書類か
運賃料金表は、荷主に対して「うちはこの基準で運賃をいただきます」と示すための表です。届出制なので、認可を受けるわけではなく、決めて出す形になります。
提出先は、営業所を管轄する運輸支局です。開業のときは次の書類をセットで出します。
| 書類 | 役割 |
|---|---|
| 貨物軽自動車運送事業経営届出書 | 事業を始めますという届出 |
| 運賃料金設定届出書 | 運賃を設定しましたという届出 |
| 運賃料金表 | 実際の金額を書いた表 |
| 事業用自動車等連絡書 | 黒ナンバーを取るために必要 |
運賃料金表に書くこと
決まった書式があるわけではありませんが、一般には次を並べます。運輸支局のサイトに参考様式が用意されていることが多いので、まずはそれを見るのが早いです。
1. 運賃の種類
- 距離制 — 走った距離で決める(基本額+1kmあたりの加算)
- 時間制 — 拘束した時間で決める(3時間まで◯円、以降1時間ごとに◯円)
- 個建て — 1個いくら(宅配系で多い形)
実務では複数を併記しておくのが安全です。あとで案件の形が変わっても、届出をやり直さずに済みます。
2. 料金(運賃とは別にもらうもの)
- 待機料(荷待ちが発生したとき)
- 積込料・取卸料
- 高速道路利用料・有料道路の実費
- 燃料サーチャージ
待機料と付帯作業の料金は、必ず入れておいてください。ここが表に無いと、現場で「これは運賃に含まれている」と言われたときに反論する根拠がなくなります。
3. 適用方(てきようほう)
いつからの運賃か、消費税の扱いはどうか、深夜・休日の割増はあるか、といった運用のルールです。
金額はどう決めるか
ここでつまずく方が多いのですが、考え方はシンプルです。
- 1日にかかる原価を出す(燃料・車の固定費・保険・自分の取り分)
- その原価を割らない水準を下限として置く
- 地域の実勢を見て、上下に幅を持たせる
原価の出し方は「軽貨物の日額◯円は手取りいくら?固定費から逆算する」で計算の順番を示しています。
なお、国土交通省が告示している「標準的な運賃」は一般貨物自動車運送事業に向けたもので、貨物軽自動車運送事業は対象に含まれていません。そのまま当てはめられる公的な基準は無い、という前提で決めることになります。
実務では、届出額と実際の契約額は一致しないことが多い
元請けから案件を受ける場合、単価は相手の提示で決まります。届出の表と一致しないのが普通です。
それでも表を持っている意味は、荷主と直接取引をするときに提示できることと、待機や付帯作業の対価を求める根拠になることにあります。直請けを取りにいくなら、実務で使える表にしておく価値があります。
変更したいとき
金額を変えるときは運賃料金変更届出書を出します。開業時に決めた額が実態と合わなくなったら、そのままにせず出し直してください。手続き自体は難しくありません。
ロジバディでの扱い
ロジバディでは、案件ごとに日建て・個建て・時間のどれで請けるかを設定し、待機料や付帯作業も分けて記録できます。
- 案件ごとに単価と支払サイクルを登録できます
- 待機・付帯作業を分けて記録すれば、あとから金額の根拠を示せます
- 協力会社に振るときは、控除と立替金を分けた支払通知書が自動で作られます
- 案件のマッチング自体は手数料0円です
まとめ
- 運賃料金表は届出制。認可ではないので、決めて出す
- 距離制・時間制・個建てを併記しておくと、あとで使い回せる
- 待機料と付帯作業の料金を必ず入れる
- 公的な軽貨物向けの基準は無い。自分の原価から下限を決める
- 実態と合わなくなったら変更届を出す



