軽貨物で協力会社を増やすときの契約書と支払いの決め方

案件が増えて自社のドライバーだけでは回らなくなると、協力会社(2次請け)に振ることになります。このとき最初に決めておかないと、あとで必ずもめるのがお金と責任の線引きです。
この記事では、協力会社を増やすときに契約書へ書いておくことと、支払いの決め方を、実務の順番で整理します。
まず、契約の形を決める
軽貨物の協力関係は、ほとんどが業務委託です。ここで注意したいのは、実態が指揮命令に近くなると偽装請負と見られるおそれがあることです。
- 始業・終業の時刻を細かく指示している
- 制服や車両の使い方まで一方的に決めている
- 他社の仕事を受けることを禁じている
こうした要素が重なるほど、「委託」ではなく「雇用に近い」と評価されやすくなります。成果(運ぶこと)に対して報酬を払うという形を崩さないのが基本です。
契約書に必ず書いておく7つ
1. 何を運ぶのか(業務の範囲)
エリア、荷物の種類、1日の想定件数、積込場所と時間。「附帯作業をどこまでやるか」(仕分け・棚入れ・回収など)も書いておきます。ここが曖昧だと「聞いていない作業」が毎回もめます。
2. 報酬の決め方
日当・個建(1個いくら)・時間単価・月極のどれか。個建なら単価と、カウントの基準(配達完了ベースか、持ち出しベースか)を明記します。
3. 引かれるもの(控除)
ここがいちばんもめます。何を、いくら、いつ引くのかを全部書きます。
- 車両リース料・保険料
- ガソリンカードの使用分
- 備品代(台車・端末・制服など)
- 管理手数料(取る場合)
「だいたい◯%」ではなく、金額か計算式で書いておくと、あとで説明できます。
4. 支払いのサイクル
締め日と支払日(例:月末締め・翌月末払い)、支払方法、振込手数料をどちらが持つか。下請法の対象になる取引では、支払期日は物品の受領日から60日以内とされています。自社が該当するかは資本金と取引の内容で決まるので、一度確認しておくと安全です。
5. 事故・荷物の損害はどうするか
誰の保険で対応するのか、免責額の負担、荷物の破損時の扱い。貨物保険への加入を条件にするのが一般的です(対人・対物の任意保険では、預かった荷物の損害は出ません)。
6. 途中でやめるときのルール
解除の通知期間(例:30日前)、繁忙期の扱い、引き継ぎの方法。「明日から来ません」を防ぐための条項です。
7. 再委託(さらに下に振る)を認めるか
認める場合は事前の書面承諾を条件にします。誰が実際に運んでいるか分からない状態は、事故が起きたときにいちばん困ります。
支払いでもめないための3つの工夫
明細を毎月出す
「振込額だけ」では、引かれた内訳が分からず問い合わせが増えます。取引額・控除・立替金・差引支給額が並んだ明細を毎月出すと、質問そのものが減ります。
立替金と控除を分ける
高速代やガソリン代を会社が立て替えた分(あとで戻ってくるお金)と、リース料のように実際に相手の取り分から引くお金は、性質が違います。これを1行にまとめると、必ず食い違いが起きます。
単価の変更は書面で
口頭で「来月から少し下げる」は、後で「聞いていない」になります。変更は日付入りの書面(またはシステム上の記録)で残すのが結局いちばん早いです。
「誰にどの案件を出したか」を残す
協力会社が増えるほど、どの案件を誰に振ったかの記録が効いてきます。
- 報酬の未払いを主張されたとき、契約と支払いの記録が証拠になります
- 事故が起きたとき、その日に誰が運んでいたかをすぐ示せます
- 元請けや荷主から実績を求められたときに、そのまま出せます
メールとLINEに散らばっていると、いざというときに探せません。1か所にまとめておくことが、そのまま自社を守ることになります。
ロジバディでの進め方
ロジバディでは、協力会社とのやり取りを次の流れで残せます。
- 案件のマッチングが成立すると、業務委託契約書が自動で作成されます(電子署名・タイムスタンプつき)
- 控除・立替金・上位委託手数料を設定しておくと、月末の支払通知書に自動で反映されます
- 誰にどの案件を出したかは記録として残り、支払いの状況も追跡できます
- 案件のマッチング自体は手数料0円です
まとめ
- 契約書には業務の範囲・報酬・控除・支払サイクル・事故の負担・解除・再委託の7つを書く
- 控除は「何を、いくら、いつ」まで金額か計算式で
- 立替金と控除を分ける。1行にまとめない
- 単価の変更は口頭で済ませない
- 誰にどの案件を出したかの記録が、未払い・事故のときに自社を守る
※本記事は一般的な実務の整理です。個別の契約内容や下請法・労働関係法令の適用については、弁護士・社会保険労務士等の専門家にご確認ください。



